バーでのあんな話、こんな話
ある街で、バーのマスターやっています。
バーなので、本当にいろんなお客さんがやってきます。
ある方のお話を許可を取った上で、少し変えてお話しします。
喧嘩のあと、〈こりゃだめだな〉と思ったし、彼もそう思ったに違いありません。
別れの原因としては、このときの喧嘩と、彼の優柔不断な態度ね。
彼の煮え切らなさにはいつもイライラのしどおしで、心の休まるときなんてなかった。
そのうえ、ストレスで体はめちゃめちゃ。
その後も週に一度ぐらいは彼から連絡があり、たまには会うんだけど、わたしの心はだんだん冷めていったみたいです。
以前はすてきと思った彼の手を見ても、なにも感じなくなっちゃったし。
そのくせ、相変わらず無言電話だけはかけまくりました。
こうなりゃ執念でとことんやってやろうって。
そのうち向こうの奥さんからも、こちらに電話がくるようになったんです。
ええ、そんなの勘でわかりますよ。
でも、どうやってわたしの電話番号を知ったんだろう?わたしがかけるでしょ、そして受話器を置く。
するとすかさず向こうからかかってくる。
もちろん無言。
無言電話の応酬よ。
こっけいでしょ。
でも、情けなかったなア。